妊娠中の体重増加量が3キロ引上げ・妊娠前の低体重(やせ)のリスクは?

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2021年に、15年ぶりに妊娠中の体重増加量の目安が3キロ引上げられました。

とくに注目したいのが、低体重(やせ)〔BMI値18.5未満〕・普通〔BMI値18.5以上25.0未満〕の下限値で、どちらも+3kg引上げられています。

つまり、妊娠前の体重そのものが足りなかった、と考えたほうがわかりやすいかもしれません。

妊娠期間中、おなかの中で赤ちゃんを育てるために妊婦さんの体重は増えるのが自然ですが、増え過ぎは妊婦さんにとっても赤ちゃんにとってもリスクです。

そのため、体重を増やさないことに神経を使ってきたわけですが、やせ過ぎのリスクもわかりはじめてきたということでしょうか。そもそも外国人の体型とくらべて、日本人女性はやせ過ぎなんですね。

妊娠中の体重増加については、そのコントロールに多くの妊婦さんが苦労してきたようです。

たくさん食べているわけじゃないけど、3キロなど余裕で増える

現在+9キロ…。 夕食を減らすなどし始めましたが、お腹がすいて寝れなかったり

毎回、主治医から体重を増やさないように注意され、精神的なストレスになっているかたも。

妊娠中に体重が必要以上に増えすぎると、つぎのようなリスクがあると言われています。

  • 赤ちゃんが大きくなりすぎる
  • 出産が長引くことで帝王切開が必要になる
  • 将来成人してから肥満や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高くなる

そのため、妊娠中の体重管理が厳しく言われてきたわけですが、体重増加量の目安が3キロ引上げられたことで、あのときの厳しい体重管理はなんだったの?との厳しいコメントも。

妊娠中の体重増加量が注目されていますが、そもそも妊娠前に痩せすぎていると、それ自体がリスクになるかもしれません。

まずは、体重増加の基準となっているBMI値について確認します。ご存知の方は、読み飛ばしてください。



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妊娠中の体重増加の基準値・BMI値とは

厚生労働省「健やか親子21」では、妊娠前の体格について、BMI値を基準として、「低体重」~「肥満(2度以上)」の4段階に分類しています。

妊娠前の体格 妊娠前のBMI
低体重(やせ) 18.5未満
普通体重 18.5以上 25.0未満
肥満(1度) 25.0以上 30.0未満
肥満(2度以上) 30.0以上
《BMI値の計算方法》
BMI値 = 体重kg ÷ ÷身長(m)÷身長(m)

ざっくりですが、具体的な数値例がこちら。

BMI値の例

妊娠前は低体重(やせ)を目指していた、という方も多いはずですが、妊娠後のリスクを考えると不安です。

そもそも日本産婦人科学会と厚生労働省では体重増加の指標が違っていた!!

そもそも、従来の妊婦さんの体重増加の指標は、日本産婦人科学会と厚生労働省「健やか親子21」で違いがありました。

そのため、妊婦さんへ指導する現場でも、どちらの指標を採用するかで混乱があったようです。

たとえば、妊娠前のBMIが24.5の場合、日本産科婦人科学会の基準では、望ましい体重増加量は5~7㎏ですが、厚生労働省「健やか親子21」では、7~12㎏。

信じがたいですが、なんと上限量に5kgもの差があったわけです。

妊婦さんがこの事実を知ることはあまり無かったと思いますが、指導する現場の混乱は想像できますね。

今回の改定で、日本産婦人科学会と厚生労働省の体重増加の指標が統一されたわけです。

21年3月に改定された妊娠中の体重増加指導の目安

新たに示された妊娠中の体重増加指導の目安は、つぎのようになっています。ここで注目していただきたいのが、低体重(やせ)の項目です。

妊娠前の体格 妊娠前のBMI 導の目体重増加量指導の目安
低体重(やせ) 18.5未満 12~15kg
普通体重 18.5以上 25.0未満 10~13kg
肥満(1度) 25.0以上 30.0未満 7~10kg
肥満(2度以上) 30.0以上 個別対応(上限5kgまでが目安)

 

※従来の低体重(やせ)の基準は、日本産科婦人科学会:BMI値18未満、厚生労働省:BMI値18.5未満でした。

今回の改定では、低体重(やせ)の体格の妊婦さんは、体重増加が上限で3kgもの余裕ができたわけですが、そもそも妊娠前の低体重(やせ)そのものがリスクです。



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妊娠前の低体重(やせ)のリスクについて

若い女性になかには、やせ志向の強い美意識から、無理なダイエットによって健康リスクを高めてしまう方が少なくありません。

若い女性や妊婦さんの低栄養は、「次世代の子ども」の生活習慣病のリスクを高めることが心配されています。

妊娠前の体格が低体重(BMI18.5未満)だと、普通体重(18.5以上 25.0未満)と比べて、つぎのリスクが高くなるようです。

  • 早産
  • 切迫早産
  • 胎児の発育不全
  • 低出生体重児(2,500g未満)
  • 貧血

妊娠前の低体重は、妊婦さんのリスクになるだけでなく、赤ちゃんの将来にもリスクとなりますから、20代~30代の女性は無理なダイエットは避けるべきです。

まとめ

妊娠中の体重管理は、妊婦さんにとって精神的にも大きなプレッシャーです。

15年ぶりに妊娠中の体重増加量の目安が3キロ引上げられたことは、妊婦さんにとってうれしいニュースですが、そもそも妊娠前の体重が少なすぎると、赤ちゃんにとっても高いリスクに。

妊活中の女性はもちろんですが、将来赤ちゃんを望んでいる女性は、早めにバランスの良い食生活や生活習慣を心がけることをおすすめします。



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