PMSは、月経前緊張症(Premenstrual syndrome)のこと。女性の40%~70%が、つらいPMSに悩まされていると言われています。
PMSは、人によって様々な症状があり、ときには、他の病気と間違われることも。
精神的な症状としては、イライラしたり、身近な人に八つ当たりしたり...。気分は憂鬱になるし、情緒不安定になるけれど、自分でもどうしていいかわからない。
下腹部や乳房のはり、頭痛や腰痛など、さまざまなカラダの不調があらわれて、とてもつらいですね。
PMSを改善のために低用量ピルが処方されることもありますが、妊活中には、ピルを使うわけにはいきません。
PMSの症状はなんと200種類!
日本産婦人科学会では、PMSをつぎのように定義していますが、その症状はなんと200種類にも!
月経開始の3~10日位前から始まる精神的、身体的症状で月経開始とともに減退ないし消失するもの
<身体的症状>
乳房のはり・痛み、肌あれ・にきび、下腹部のはり、眠気または不眠、疲労倦怠感、頭痛、腰痛、むくみ、下腹部痛、のぼせなど
<精神的症状>
イライラ、怒りっぽい、情緒不安定、憂鬱、落ち着かない、緊張感など
PMSの原因について
PMSの原因には諸説あるようですが、一般的には、女性ホルモンの急激な変動と考えられています。
卵巣ホルモンの「エストロゲン」は、排卵期(月経周期の14日目)をピークにその後減少していきますが、その後、黄体期になると、黄体ホルモン「プロゲステロン」が増加します。
ちょうど基礎体温が高くなる期間ですが、PMSはこの時期に発症するのです。
人によっても症状はさまざまですが、月によっても症状の程度が変わることもあります。
PMSかどうかの判断は、症状の発生だけで判断するのではなく、排卵周期との関係を確認するためにも、基礎体温などを記録しておくことも大切になります。
PMSの治療について
PMSの症状をやわらげるために、低用量ピルが処方されることがありますが、妊活中に使うわけにはいきません。
治療の方法にもいろいろあり、症状そのものを抑え込む対症療法から、ホルモン療法、精神安定剤や抗うつ剤が使われることもあるようです。
精神安定剤や抗うつ剤を使用するのは、黄体期だけの投与だとしても、ちょっと抵抗がありますね。
残念ながら、PMSの特効薬というのは存在しないようです。
低用量ピルが使えないときには、漢方薬などで体調をととのえる方法もありますが、まずは日常の生活習慣や食事を見直してみることをおすすめします。
PMS改善のための生活習慣について
PMSの症状をやわらげるために薬を使用する前に、食事や運動など、まずは生活習慣を見直しましょう。
- 栄養バランスの良い食事をとる
- 質の良い睡眠をとる
- 適度な運動をする
- 精神的ストレスをためない
どれも、今日から始めることができることばかりですが、生活習慣を変えるのはなかなか難しいかもしれません。
とくに質の良い睡眠をとるには、仕事や精神的ストレスの影響が大きいですから、すぐに改善というわけにはいかないかと思います。
質の良い睡眠をとるためには、睡眠のリズムをつくることがとても大切です。目覚まし機能だけでなく、睡眠のための環境をつくる時計が注目されていますので、以下の記事を参考にしてください。
妊活中でもPMS改善の漢方薬は使える?
PMSの治療に、漢方薬が処方されることがあります。その人の体調や体質によって、たとえばつぎのような漢方薬が処方されます。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)など
一方、妊活中(不妊症)に処方される漢方薬には、代表的なものとして、つぎのようなものが挙げられます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
- 四物湯(しもつとう)
- 温経湯(うんけいとう) など
不妊症とPMSでは、漢方薬に期待されるはたらきが違います。また、漢方薬は、一人ひとりの体質や健康状態をチェックしたうえで処方されますから、だれにも同じ漢方薬が処方されるわけではありません。
漢方薬は、薬です。
妊活中の場合、漢方薬によるPMS治療について、つぎのようなアドバイスをしている専門クリニックもあります。
妊活中にPMS対策の漢方を処方するときは、黄体期は通常通り飲んでもらい、月経予定日が来たら一旦ストップ。月経が来たら服用を再開し、妊娠の反応が出た場合、服用をやめてもらう
PMSでも妊活サプリは問題ない?
妊活サプリは、葉酸などの栄養素を中心に、妊活のための栄養バランスを考えて設計されています。つまり、妊活サプリの目的は、不足しがちな栄養素を補うこと。
妊活サプリを飲むことが、PMSの改善につながるわけではありませんが、不足しがちな栄養を補うことは、体調をととのえるうえでマイナスにはならないでしょう。
いずれにしても、PMSの症状がつらいときには、まず、専門医に診てもらうことをおすすめします。その際、妊活中であることをしっかり医師へ伝えてください。
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