妊娠中、お酒をどれくらい飲んでいいの?
よくある質問ですね。
夕食にはかならずワイン、なんて方もいらっしゃいますけど、お酒が好きな人にとって、アルコールを止めるのはなによりもツライことかもしれません。
結論的なことを言えば、妊娠中はもちろんのこと、妊活中もお酒は避けたほうがいいようです。
お酒が無いとストレスが溜まって精神的にマイナス、という方は、1日でビール大瓶1本程度なら大丈夫との説もありますが、あまり好ましいとは言えません。
アルコールの赤ちゃんへの影響
妊娠中の飲酒は、胎児性アルコール症候群を引き起こす可能性があると言われます。
胎児性アルコール症候群の症状には、奇形や低体重などの外見的な異常、知的障害や記憶障害などの神経系の異常が見られます。
妊娠中の母親の習慣的な飲酒の頻度とアルコール摂取量によっても、障害の程度が変わると言われますが、アルコール摂取量が少なければだいじょうぶというわけではありません。
飲酒がお腹の赤ちゃんに影響を与えたとなれば、それは母親の責任ですし、赤ちゃんはその将来その障害を背負って生きていくことになります。
胎児性アルコール症候群の診断基準
厚生労働省「e-ヘルスネット」によれば、胎児性アルコール症候群の診断基準をつぎのように定めています。
- 妊娠中の母親の飲酒
- 特徴的な顔貌
- 出生時低体重・栄養とは関係ない体重減少、身長と釣り合わない低体重などの栄養障
- 出生時の頭囲が小さい・小脳低形成・難聴・直線歩行困難などの脳の障害
出生数1000人について、0.1~0.2人だそうですから、とても低いと思うかもしれません。
しかし、遺伝性ではない精神発達の遅れの原因となっていることを考えると、なおさら責任重大です。
NIPT(新型出生前診断)について
胎児の先天異常を知るには、いくつかの診断方法がありますが、最近注目されている方法に、NIPT(新型出生前診断)があります。
確定検査ではありませんから、「陽性」の結果が出たとしても、羊水検査などによる確定診断が必要ですが、ダウン症の原因になる21トリソミーなどの遺伝的疾患を事前に知ることで、妊婦さんやその家族が将来に備えることができるメリットがあります。
アルコール依存症だとハイリスク!
胎児性アルコール症候群は、母親のアルコール摂取量に関係があると言いましたが、大量飲酒のアルコール依存症の女性を調査した結果では、子供の30%に症状がみられたようです。
酒量の多い女性では、胎児性アルコール症候群のリスクが一気に上昇するわけですから、偶然発症したということにはならないでしょう。
ビール大瓶1本なら大丈夫はホント?
アルコール摂取と胎児性アルコール症候群との関係については、さまざまな調査がおこなわれています。
妊娠初期に1日60g以上のアルコールを摂取したケースでは、子供の体重や頭位が明らかに小さいことがわかっています。
日本のビールの度数は、だいたい4.5~5%ですから、ビールの大びん1本 633mlだと、1本当りのアルコール量は30ml前後です。
1日60gのアルコール量は、だいたいビール大瓶2本分に相当することになります。
そう考えると、”ビール大瓶1本ぐらいなら” と思うかもしれませんが、飲酒量が少なくても胎児性アルコール症候群の報告があるとのこと。
”ビール1本程度なら” との考え方は、改めたほうが良いかもしれません。
妊娠初期のほうがリスクが高い!
成長障害や脳の障害は、妊娠中期から後期の飲酒が影響するようですが、妊娠後期より妊娠初期のほうがリスクが高いと考えられています。
つまり、基本的には妊娠全期間を通して、何らかの影響が出る可能性があると考えたほうがいいようです。
まとめ
胎児性アルコール症候群のリスクは、妊娠初期のほうが高いとなれば、いつ妊娠するかわからない妊活中の女性にとって、飲酒はつつしんだほうが良いと言えるでしょう。
実際、胎児性アルコール症候群に治療法はありませんから、アルコールの摂取を止めるのが一番、ということになります。
米国の小児科学会では、妊婦に対して「アルコールは一切飲んではいけない。たとえ少量であっても絶対にダメ」と呼びかけているそうです。
”自分のせいで子供に障害が・・・” そんなつらい思いはしたくないですね。
アルコールの量を考えるより、母親自身と赤ちゃんの栄養を考えるべきかもしれません。
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