40歳過ぎてから妊娠した方の話を聞くと、妊娠がとても簡単なことのように思われてしまいます。
しかし、年齢別の妊娠確率を見てみると、30歳過ぎてからの妊娠がそう簡単でないことがわかります。
そもそも妊娠確率って、どうやって調べたのと思いませんか?避妊する人もいるわけですから、妊娠したい人ばかりじゃないはず。
そんな疑問を以前から感じていましたが、一般社団法人 日本生殖医学会のサイトにその答えがありました。
出典:一般社団法人 日本生殖医学会Q&A
えっ、そんなに古いデータなの?しかも、女性1,000人あたりの出生数(17~20世紀のアメリカ、ヨーロッパ、イランなど10ヶ所のデータ)となっています。
知らなかった!
現代人かもしれないけど、ちょっと古すぎるような気が・・・。
今の男性は精子の量も少なく、元気度も昔と比べて弱くなっているようですから、現代の妊娠確率はかなり下がっているのでは、と心配になります。とくに、日本では。
35歳から急激に低下する妊娠確率
妊娠のしやすさには、年齢が大きく関係しています。
また、卵子も精子も衰えていきますから、元気な赤ちゃんを産むなら若いほどよい、と言われるのはもっともです。
高齢になると、卵子が老化し、流産だけでなく胎児にダウン症などの原因になるトリソミー症候群の発生率も高くなります。
年齢による不妊症率の変化
日本生殖医学会のサイトによれば、年齢による不妊症率は、つぎのようになっています。
25~29歳:8.9%
30~34歳:14.6%
35~39歳:21.9%
40~44歳:28.9%
年齢とともに、不妊症の確率が上がっていくことがわかりますが、この数字だけをみると40歳過ぎても妊娠できる確率がそれほど下がらないと思ってしまいますが・・・。
年齢が上がると不妊治療の成功率が下がる!
女性は、30歳以降妊娠率が低下し、35歳前後からは、妊娠率が低下するだけでなく、流産する確率も増加します。
たとえ体外受精や顕微授精などによる不妊治療をおこなっても、妊娠率・生産率は低下しますから、赤ちゃんがほしい年齢や不妊治療を受ける年齢は、若いほど有利になります。
年齢が上がると赤ちゃんの死亡率も増加
女性の年齢が上がると、妊娠22週以降の退治や生後1ヶ月以内の新生児の死亡率も上がるようです。
これを、周産期死亡率と言いますが、周産期死亡率がもっとも低いと言われる年齢は、25~29歳となっています。
妊娠は年齢が若くても簡単じゃない
長年にわたり、不妊の治療と研究にとりくんできた大阪・高槻にある後藤レディースクリニック院長の後藤栄先生は、つぎのように説明しています。
妊娠する可能性があるのは排卵日の6日前から排卵日の1日後ほど。その間に性交し、妊娠する確率は29歳以下の女性で約30~50%です。その確率は26歳をピークに緩やかに下降していきます。
さらに、不妊状態にあるカップルの場合、妊娠する確率は1周期あたり 2%だそうですから、妊娠することがそう簡単でないことがわかります。
1周期というのは、月経周期28日ですから、この妊娠確率を考えると、1年ぐらい妊娠できなかったとしても不思議ではないことになります。
ブライダルチェック
ブライダルチェックとは、結婚前に男女とも妊娠できるカラダであるかどうかをチェックすることです。
最近では、ブライダルチェックをおこなうカップルが増えてきたようですが、35歳を超えると妊娠率が低下していきますから、できるだけ早目にクリニックでチェックしてもらうほうがいいでしょう。
日常生活では妊娠へ向けた準備を
赤ちゃんをつくることは、赤ちゃんの将来に対しても責任を持つことにもなります。
元気な赤ちゃんを産むためには、日常の食生活やライフスタイルにも気をつけなければなりません。
タバコやもちろんですが、アルコールも飲まないことが求められます。
妊娠中のアルコール摂取は、奇形や発達障害、中枢神経障害のリスクがあることがわかっています。ときどき、どのくらいの量ならだいじょうぶですか、との質問を目にすることがありますが、少量でも飲酒は避けるべきでしょう。
将来、後悔しないために。
サプリメントについて
妊娠中はお腹の赤ちゃんに栄養が取られるだけでなく、食欲が落ちたりしますから、必要な栄養素が不足しがちです。
葉酸も、妊産婦さんにとって大事な栄養素ですが、摂取量が不足すると、胎児の神経管閉塞障害の発症リスクが高くなることがわかっています。
葉酸の過剰摂取も、ビタミンB12欠乏が診断しにくくなるため、神経障害を悪化させる恐れがありますが、通常の食事では不足しがちです。
サプリメントによる摂取も推奨されていますが、他のサプリメントと併用する場合には、かかりつけの専門医と相談したうえで摂取することをおすすめします。
コメント