不妊治療が仕事と両立できないのはなぜ?

不妊治療
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働きながらの不妊治療は、仕事との両立が難しく、5人に1人が退職してしまうと言われますが、現実はもっと厳しいようです。

厚生労働省が発表した労働者へのアンケ―ト調査(下のグラフ)によれば、不妊治療にために仕事と両立できずに退職するのは女性だけではありません。

引用:厚生労働省「仕事と不妊治療の両立支援のために」

不妊治療が仕事と両立できている方は、半数程度しかいないことがわかります。なかには、不妊治療を止めてしまった方も!

はじめのうちは理解を示してくれる職場でも、休暇日数が増えてくると、職場から“そんなに休まないとダメなの” と聞いてくるように。

“周りに迷惑をかける心苦しさがあった” “不妊治療か仕事かどちらかを選びなさいと言われた” などの経験をした方も。不妊治療と仕事を両立することの難しさが伝わってきます。

中小企業では難しい仕事との両立

特に、中小企業の場合、1人ひとりの労働力の職場への貢献度が大きいので、一時的な休暇でも、他の社員への負担が大きくなります。

また、無事に妊娠・出産できたとしても、法律で定められている産前産後休業(いわゆる産休)を実際に取得できるケースは、中小企業では少ないのが現実。

事業者側の給与負担が無いんだから、いいんじゃない? と思うのは、大企業の話。

中小企業では、代わりがいなければ仕事が回りませんから、復帰できたとしても、戻るイスが無いことも。さらに、上司や部下、同僚社員などへの気兼ねもあって、なかなか会社に残りづらいのが現実。

妊娠に適した年齢

加齢によって妊娠確率は減少していきますから、不妊治療をはじめるなら年齢が若いほど有利です。仕事との兼ね合いを考える余裕は無いかもしれません。

厚生労働省のリーフレットには、つぎのような説明があります。

職場での役割が充実する時期には「いつでも子どもは持てる」と思い、妊娠・出産を後回しに考えてしまいがちですが、男性、女性ともに妊娠・出産には適した年齢があります。一般的に、高年齢での妊娠・出産は、様々なリスクが高まるとともに、出産に至る確率も低くなることが医学的に明らかになっています。

厚生労働省の報告書「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」での、不妊治療に関するデータを2つ紹介します。

<おもな年齢での流産率>※抜粋

35歳 20.3%
40歳 35.1%
45歳以上 66.0%

<不妊治療における年齢と生産分娩率>※抜粋

30歳 19.9%
35歳 16.3%
40歳 7.7%
41歳 5.3%
42歳 3.7%
43歳 2.0%
44歳 1.3%
45歳 0.6%

妊娠分娩率は、(生産)分娩数を総治療周期数で割ったものです。

1周期とは月経周期のことですから、年齢が高くなるほど、急激に分娩率が下がっていくことがわかります。

30歳の方の場合、生産分娩率が約20%ですから、人工授精の場合であれば5回、約半年で妊娠できる確率です。

しかし40歳を過ぎると、生産分娩率は急激に下がっていきますから、どうしても子供が欲しいとなれば、仕事を犠牲にしても不妊治療を優先せざるをえないことになります。

年齢にともなう卵子の老化

不妊の原因はいろいろあるようですが、大きな原因の一つに、卵子や精子そのものが弱くなっていることがあげられます。

精子の質も卵子と同じように衰えていきますが、やはり卵子の老化のほうが深刻です。

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最近では、不妊の原因が男性にあることも少なくないようです。不妊症の原因の半数が男性にあると言われます。

気付かないまま、何年も女性だけが不妊治療を続けていたケースも。妊活では、まず男性の精子検査を優先すべきかもしれません。

医療機関での検査に抵抗がある方は、郵送による精子検査のサービスを利用するのも一つの方法です。数千円で簡単に検査することができるのでとても便利です。

ベビーライフ研究所『郵送精子検査』

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終わりが見えない不妊治療

不妊治療では、妊娠に至るまでの経緯や、どうしても妊娠できずにあきらめるまでの治療法や期間が、一人ひとり違います。

治療期間は若い方ほど短く、高齢になるほど長くなる傾向がありますから、治療の「終了時期」を見定めることは難しいのが実情。

何年間も治療を続ける方も少なくありませんが、1回の治療時間は短くても、時間をやりくりしながら頻繁に通院しなければならないのが、不妊治療の特徴です。

通院のタイミングや回数は、月経周期や卵子の具合にも左右されますから、自分の都合で決めることはできません。

治療前の不妊検査だけでも、月経周期にあわせて、ホルモン検査や子宮卵管造影、卵胞チェックなど、さまざまな検査日程が細かく指定されます。

実際の不妊治療が始まれば、卵子の育ち具合によっては、”また明日来てください”と言われることも。「体外受精」や「顕微授精」になれは、拘束される日数はさらに増えていきます。

このことが、職場の理解を得られにくい原因の一つになっています。

最優先すべきは自分の生き方

不妊治療は、“早目の開始と職場の理解” が欠かせません。赤ちゃんは、女性にかぎらず、夫婦にとって一生の宝ものです。

自分自身の生き方と職場、どちらか一方を選択しなければならないのはちょっと寂しさを感じます。

そもそも夫婦ともにフルで働かなければ生活できない、そんな労働環境そのものが変わらなければ、不妊治療と職場環境の問題は解決しないのかもしれません。

不妊治療の基本は体調管理

妊活の基本は、なんといっても体調管理と栄養です。ストレスや睡眠不足などがたまり、栄養が不足していては、どんな治療を受けたとしても、なかなか良い結果は望めません。

不妊治療を続けてもなかなか妊娠できなかった方がいます。

4回目の体外受精のときには、なかば投げやりになって、ピクニックへ出かけたりリラックスしたことが功を奏し、39歳で妊娠できたそうです。

気分をリフレッシュして、ストレスを溜めないことが大事ですが、十分な睡眠をとり、適度な運動とバランスのよい食生活は欠かせません。

とくに「葉酸」は、不足しがちな栄養素の一つです。厚生労働省も、通常の食事以外での摂取を推奨しています。

妊活は、体に悪い影響があることを極力避けながら、良いと考えられることを一つづつ積み上げていく心がけが大事です。

アルコールの摂取やタバコも、その一つ。少しだけなら大丈夫?と考える前に、妊活中・妊娠中は止めたほうが良さそうです。

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