不育症とは、妊娠できたとしても、流産や早産を2回以上くりかえす症状で、1回以上の妊娠10週以降の死産(子宮内胎児死亡)なども含まれます。
かつては、医学用語として登録されていなかったようです。
流産とは、妊娠 22週未満で妊娠が終わることをいい、妊娠22週以降にお腹の赤ちゃんが亡くなった場合は、死産になります。
流産は一定の確率で発生しますから、1回の流産で不育症の心配をする必要はないようですが、妊婦さんにとっては不安が残ります。
不育症の原因にはいろいろありますが、流産率が高くなるといわれる生活習慣(喫煙や過度のアルコール摂取など)は避けたほうがいいようです。
不育症の原因は?
不育症には、さまざまな原因が考えられるようですが、東京都福祉保健局のHPなどによれば、不育症のリスク因子として、つぎのような項目があげられています。
- 染色体異常
・トリソミーと呼ばれる胎児の染色体異常によって、流産になる確率が高くなります。無事出産できたとしても、ダウン症などの胎児の先天性疾患の原因になります。 - 子宮形態異常
・子宮の形状が原因で、胎児や胎盤が圧迫されて流産が起こりやすくなります。 - 内分泌異常
・甲状腺機能異常や糖尿病によって、流産のリスクが高まると言われています。甲状腺の機能が働きすぎる甲状腺機能亢進(こうしん)症や、逆に働きが低下して起こる甲状腺機能低下症などがあります。 - 凝固因子異常
・血液が固まりやすく、血流が滞ることで、赤ちゃんへの栄養補給が妨げられるため、赤ちゃんの発育不全や胎盤の異常につながります。
35歳からの妊活は遅すぎる?トリソミーのリスクについて
不妊治療の保険適用を待って、不妊治療を遅らることは、大きなリスクがともないます。
35歳を過ぎると、妊娠確率が若い妊婦さんと比べて急激に低くなるのとは逆に、流産の確率は高くなります。
さらに、ダウン症などの胎児の先天性障害の可能性も高くなることも知っておくべきでしょう。こちらの記事を参考にしてください。

NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症などの原因となる染色体異常を調べる検査ですが、近年、受診する妊婦さんが増えています。

高齢での2回流産はめずらしくない
女性は35歳以上になると、流産の確率が高くなることがわかっています。
東京都福祉保健局のHPによれば、高齢の妊婦さんの流産率は、40歳では40~50%以上、45歳くらいではなんと90%以上!
40歳以上になると、通常の染色体異常が原因で2回続けて流産することは珍しくないそうですから、できるだけ早い時期に妊活を始めたほうが良いと言えます。
不育症検査助成事業の概要
不育症の治療
慶応義塾大学病院のHPを参考にすれば、不育症の治療法には大きく3通りがあります。※参考:慶応義塾大学病院HP 不育症(妊娠はするけれど赤ちゃんが得られない方)
- 内分泌(ホルモン)療法
・不足しているプロゲステロンを補充したり、プロラクチンが高い場合には下げるなどの薬物療法です。甲状腺機能異常、肥満、糖尿病の場合、ライフスタイルの改善や食事療法(あるいは薬物療法)がおこなわれます。 - 手術療法
・先天的な子宮の形の異常や子宮筋腫などの手術をおこないます。 - 抗凝固療法
・血栓と関係する自己抗体を持っていたり、凝固能の亢進や凝固因子の異常がある場合、低用量アスピリン(飲み薬)やヘパリン(注射)を必要に応じて使います。
これらの治療法は、過去の流産や死産歴のほか、産婦人科問診や診察だけでなく、さまざまな検査をおこなったうえでおこなわれます。
しかし、不育症の半数は、検査によっても不育症の原因が明らかにならないようです。そのため、ここで紹介した治療法以外の治療をおこなうこともあるようです。
異常が軽度であれば、治療をしないでそのまま次の妊娠に向かうこともあり、無治療の妊娠率も悪くないとのことですから、前向きな気持ちが大切かもしれません。
まとめ
東京都福祉保健局のHPでは、生活習慣が不育症にあたえる影響について、つぎのような説明があります。
この説明をみると、少しぐらいのお酒なら大丈夫、と思いがちですが、妊活中・妊娠中のアルコールは止めたほうがいいようです。

不育症にかぎらず、妊活中・妊娠中は、妊婦さんの健康だけでなく、お腹の赤ちゃんの健康もあわせて考えることが大事です。子供の将来にも影響を与えるかもしれないからです。
妊活中・妊娠中は、栄養バランスを考えると同時に、日ごろの生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。
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